文化庁メディア芸術祭に行ってきた。

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バレンタイン、恋人同士がパコパコやっている隙に六本木に文化庁メディア芸術祭を観に行ってきました。

今年で18回目になったメディア芸術祭。因みに第一回は「もののけ姫」が大賞を得た1998年に行われました。

あまりカメラ持っている人が少なかったので聞いてみたら会場内は撮影可能、録画はNGみたいです。

一応全部観てきたのだけど、その中でも気に入ったモノを紹介。

THE CAPTCHA PROJECT

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壁に貼り付けられているのは、模写画家による絵画にCAPTCHAコードを書き込んだもの。

貧困層の人がロボットの代わりにCAPTCHAを解析しているのは、人間のロボット化なのではないかという疑問を投げかけている作品。

制作の背景にも一工夫されているので、説明を見ると別の目的が見えてくるかもしれない。

のらもじ発見プロジェクト

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「のらもじ」とは、街の中で見つけた看板文字。

メディア芸術祭の展示では、のらもじを自由に編集出来るエディタが公開されていた。

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看板の文字を編集することが出来る。

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文字を入力すればするほど、看板の長さも合わせて伸びていく

会場に置かれたキーボードからは、タイプするたびに音が再生されてインタラクションも楽しい。

3RD

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自分を第三者の視界から見ると言うもの。

奇妙な形の被り物の中にはスマートフォンが配置してあり、そこには天井からの映像が流されている。

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写真中央に天井から吊るされたカメラがある。

3RDは体験することが出来たので、30分くらい並んで体験してみた。

視界は一見すると、ボンバーマンの様な見下ろし型のゲームの画面を見ている感じなのだが、そのキャラクターへのインプットはコントローラーではなく自分自身なのが動きを惑わす。

まずは頭を回して、どちらに回れば自分の行きたい方向へ進めるのか、自分はどこにいるのか、手を伸ばして壁を確認したり、耳を使って周りを確認したりする。

特に目的は無いものの、数分間の体験で奇妙な世界観を十分に体験することが出来た。

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ヘルメットの形状はデザイン性だけでなく、一歩先の壁や背後の障害物を教えてくれる。 また映像から自分の向いている方も分かるなど、しっかりと意味のあるものだった。

ingress

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配置に奥行きがあったのでいい感じの写真が撮れた。

会場に置かれていたのはIngressではお馴染みのパワーキューブ。

地面にはメッセージボードが敷かれており、自由にメッセージを書くことができる。

また背景には周辺のポータルが表示されておりリアルタイムにポータルの状況を見ることが出来る。

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ゲーム内の状況と展示がリンクしている。

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レゾネーターを刺した様子。下のRabbitHackが自分のusernameである。 数分間このままだった。もしも敵陣の色だったらウィルスで反転させても面白いかもしれない。

handiii

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義手である。

マイナスを0に近づけるのではなくプラスにしていこうというプロジェクト。 3Dプリンターによる製造・処理はスマホに任せるなど低コストな上、デザインや機能をカスタマイズ出来る。

紹介Vではみんなに羨ましがられる腕を、とあったがその通りだった。 指にセンサーをつけたりと、生身の腕だとインプラントしなくてはいけない処置が義手だと容易に可能なのだ。

少しだけ腕を切ってhandiiiにしたいと思ってしまった。 ウェアラブルコンピュータの流行の最中、義手もその解釈の範疇になったのだ。腕時計に時間を聴くことと、義手に時間を聴くことに既に明確な違いは無くむしろ圧倒的に義手にアドバンテージがあるように思えた。

コミック

コミックやアニメーションの展示もあった。 ただ、アニメーションはともかくコミックは著者が紙面で読むことを前提にしているのでこのような展示は拡大解釈されているような気がしてどうにも苦手だ。

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展示の為のオリジナル作品は少ないので、もしも読んだことのある作品が展示されているのであれば観る価値はあると思った。

読み飛ばしているセリフをじっくりと見直し、考えなおすチャンスになるかもしれない。

第18回文化庁メディア芸術祭